最重要

原価と支出の違い

この概念の理解が、正確なKPI計算の鍵です。 間違えると、すべてのKPIが誤った値になります。

原価と支出の違い

原価(Cost)

作業が行われた時点で認識される費用

  • • 発生主義(Accrual Basis)に基づく
  • • 支払いタイミングとは無関係
  • • 売上認識と同期している
  • KPI計算にはこれを使用

支出(Payment)

実際に支払いが行われた時点で認識される金額

  • • 現金主義(Cash Basis)に基づく
  • • 作業タイミングとは無関係
  • • 売上認識と同期していない
  • KPI計算には使用しない

具体例で理解する

シナリオ

下請け業者が1月に¥1,000,000分の作業を完了し、
2月に請求書を発行、3月に支払いが行われた。

1月2月3月
作業実施完了--
請求書発行-発行-
支払い--¥1,000,000
原価(正しい)¥1,000,000¥0¥0
支出(誤り)¥0¥0¥1,000,000

支出データを使うとどうなるか

KPIが歪む

1月のKPI(支出データ使用時)

売上: ¥1,000,000、支出: ¥0 → 粗利率: 100%(実際は15%程度)

3月のKPI(支出データ使用時)

売上: ¥500,000、支出: ¥1,000,000 → 粗利率: -100%(実際は15%程度)

結果: 1月は異常に利益率が高く見え、3月は大赤字に見える。 月ごとの傾向分析が意味をなさなくなる。

原価データかどうかの見分け方

列名を確認

原価を示す列名

  • • 原価、工事原価
  • • 当月原価
  • • 実行原価、発生原価
  • • cost

支出を示す列名(使用しない)

  • • 支出、支払
  • • 出金、キャッシュアウト
  • • payment、cash_out

データソースを確認

工事管理システムから出力したデータ → 通常は原価(発生ベース)
経理システムの支払一覧から出力したデータ → 支出(現金ベース)の可能性が高い

システム管理者に確認

不明な場合は、データを出力したシステムの管理者に確認してください。 「この数字は作業完了時に計上されるのか、支払い時に計上されるのか」を確認します。

CSV Builderでの警告

CSV Builderは支出列を検出すると警告を表示します

「支出」「支払」「出金」などの列名を検出した場合、 「この列は支出データのようです。KPI算出には発生主義の原価が必要です。」 という警告が表示されます。この警告が出た場合は、正しい原価データをご用意ください。

まとめ

  • 原価: 作業完了時に認識 → KPI計算に使用
  • 支出: 支払い時に認識 → KPI計算には使用しない
  • 支出データを使うと、月ごとのKPIが大きく歪む
  • 不明な場合はシステム管理者に確認